村上春樹の「走ることについて語るときに僕の語ること」を読了。
日本語の本は、文庫本を除いて、図書館から借りて読んでいる。1ヵ月に2度、飽きずに図書館に通い、何かしらの本を借りてきて読んでいる。目当ての本が貸し出し中でも、代わりに眼に付いた本を借りてきて読む。思いがけずに惹かれる本に出会う事もあるが、最後まで読む根気が続かずに、放棄してしまう本もあるのだけれど。 昨日も図書館へ行き、数冊借りてきた中の一冊がこの本。 目当ての本が貸し出し中で、代わりに新刊書コーナーに有ったこの本が眼に付いた。 村上春樹は私と同年代。初めて読んだのは20年位前、「風の歌を聴け」だった。 どんなストーリーだったのか今ではよく覚えていないのだが、大学生の話だったように思う。 どんな本でも、その著者の本を初めて読む時は、感覚的に「あっ、この作家キライ」と感じる時と、「悪くないなぁ〜」と思える時とのどちらかなのだ。「この作家キライ」と感じたら二度とその人の本は読まない。村上春樹は「悪くないなぁ〜」だったと思う。だからといって「だ〜い好き!」というほどに感じ入るものも無く、図書館に入れば読み、入らなければ自分で買ってまでは読まない作家だった。 村上春樹の小説は、読みやすい文章の中に「現実の世界」と「非現実の世界」とがワープしているような感覚があって、深く読めばどんな風にも捉えられるという、不思議な小説が多い。 これは何かの比喩なのか、と深く考え、読み解くほどのインテリジェンスの無い私、表面的に書かれていることを感覚的に感じ取る程度の理解しかできない。 「でも悪くないよねぇ〜」的な読み方しかできなかった。(汗) 前置きが長くなったけれど、この本を読んで感じたことは 「村上さんって何事にも真面目なのねぇ」 村上さんは作家として文を書いて生きていこうと決意した時から、「走る」ことを続けている。 書くことと走ることを同時進行でやってきた村上さんだから、「走る」ことを書くということは「書く」ということを語ることでもある。作家だから小説を書くことに真面目になるのは当然だけれど、走るということにこれほど真剣に取り組んでいるとは知らなかった。 小説を書き続けるためには健康な肉体が必要だ、と言う村上さん。若いうちはある程度の才能だけで書けるのだが、年をとるに従って物語を創造する、という集中力・持続力を必要とする作業に耐える力が失われていく。それを維持するためには、それに耐えられる肉体が必要だという。 月に300キロのランニングをこなし、フルマラソンの準備をする。しかし加齢と共に衰える体力には逆らいようがない。その事に目をそらさずに、かといって諦めもせずに出来るだけの準備をし、マラソンレースに挑む。更には北海道で「100キロ、ウルトラマラソン」にも参加、トライアスロンにも挑戦している。 走るという過程を通して、村上さんは自分に向き合っているのだろう。 生きる=書く=走る、である自分自身に真摯に向き合い、自分の作家としての新たな可能性を探り続けていく姿勢に、感心させられた。 レースに参加する時に、自分に果たしている目標は ゴールすること。 歩かないこと。 楽しむこと。 これは即ち、小説を書く時の目標でもあるのではないか。 走る自分を書きながら、作家である自分を深く見つめさらけ出している。 アーティストであるために、不健康さを体現しているような芸術家が多い中、健康であることで良い作品を書き続けようという、とても真面目な作家のように思えた。 《小さな事だけれど、一つ残念だったことは「サロマ湖100キロマラソン」の章で北海道湧別町を「わくべつ町」とフリガナをしてあったこと。正しくは「ゆうべつ町」。北海道の人間として固有名にわざわざ間違えたふりがなを振ってあったことは悲しい。これは出版社の校正ミスだと思うのだけれど》 適度な距離感を持って、村上文学を読んできた私にとって、意外な村上春樹を知った本でした。 今日も応援いただけると大変嬉しいです。 ↓ 人気blogランキングへ有り難うございました。 |
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| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|---|
英語はビートルズが先生だった! [Vol.9:The Word]
アルバム「Rubber Soul」収録のコーラスがいかした曲「The Word」の歌詞を見てみよう。 ...続きを見る |
わが青春のEVERGREEN 2008/01/14 10:21 |
ランナー、村上春樹。 村上春樹 著 「走ることについて語るときに僕の語ること」
村上春樹著 ...続きを見る |
本読め 東雲(しののめ) 読書の日々 2008/03/01 17:19 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
村上春樹の本は「ノルウエーの森」を英文で読んだだけだったのですが、ここに書かれているのと同じように感じました。 |
さくら 2008/01/13 08:04 |
同感です |
とまる 2008/01/13 14:56 |
入門は「マイロストシティ」(フィッツジェラルド)でした。以前は極めて熱狂的なファンでした。私のお気に入りは、「遠い太鼓」と「ダンスダンスダンス」です。 |
バードランド 2008/01/13 22:10 |
さくらさん |
リウマチばあちゃん 2008/01/14 00:40 |
とまるさん |
リウマチばあちゃん 2008/01/14 00:47 |
バードランドさん |
リウマチばあちゃん 2008/01/14 01:03 |
こんにちは。村上春樹さんって本当に不思議な方だなと思います。作品を読むたびに多方面の才能がおありになるのを感じます。私は安西水丸さんが挿絵を担当されている一連のエッセイが好きです。「ノルウェーの森」の英訳の話が↑ででていましたが、その「ノルウェー」の英訳本は2種類あります。Rubinという人のとBirnbaumという人のと。かなり英語の構文や語彙が異なり、全体としての印象も違った感じです。翻訳って面白いような逆にこわいような。だからやっぱり英語で書かれたものは、英語で読んでみたいなと思います、たとえ読解力が不足していても。 |
kittycat 2008/01/14 10:15 |
今度のは「The Witches」という本です |
とまる 2008/01/14 21:56 |
kittycatさん |
リウマチばあちゃん 2008/01/15 01:09 |
とまるさん |
リウマチばあちゃん 2008/01/15 01:16 |
恥ずかしながら、村上春樹さんの本を読んだことがありません。 |
ハルミズキ URL 2008/01/15 11:16 |
ハルミズキさん |
リウマチばあちゃん 2008/01/16 00:20 |
TBさせていただきました。 |
タウム URL 2008/03/01 17:18 |
タウムさん |
リウマチばあちゃん 2008/03/02 02:01 |
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